初めての体験をしてみよう 〜 ルイ・ヴィトンのファッションショー 〜

これまで何度かルイ・ヴィトンのファッションショーに招待されていましたが、いつもお断りしていました。理由は、ショーにふさわしい服装を考えるのが大変そうだったから。でも先月、表参道店の担当の方から再びお誘いをいただきました。大阪で開催されるショーに友人の坂元さんも一緒に招待してくださるとのこと。それなら気楽に行けるかもしれないと思い、参加を決めました。大阪なら知り合いに会う心配もないし、ちょうど坂元さんのお誕生日だったので、良いお祝いになると思ったのです。

ショーの2週間ほど前に、当日発表されるアイテムの販売リストがメールで届き、気に入ったものがあれば事前予約もできるとのこと。でも私は、「実際に見て気に入ったものがあれば買うけれど、春夏コレクションにはあまり惹かれないので、何も買わないかもしれません」と伝えました。とはいえ、パリでのショーをオンラインで何度か見て、自分のスタイルに合いそうなワンピースを1着選びました。
当日、新幹線で大阪へ向かい、ホテルで坂元さんと合流。ショーが始まる15分前に会場へ入りました。会場は「グラングリーン大阪」、北梅田の新しい開発エリアにあります。



会場の中央にはランウェイが設置され、両側に約50席ずつ、合計100席ほどの客席が並んでいました。表参道店の担当の方とマネージャーの方が私たちを席まで案内してくれ、モエ・エ・シャンドンの小さなボトルをくださいました。会場にはテンションの上がる音楽が流れ、期待感が高まります。



やがて会場の照明がドラマティックに落とされ、ショーが始まりました。写真で見たときはあまり惹かれなかった服がランウェイではイキイキと映え、私たちは見入ってしまいました。10~15分ほどの短いショーでしたが、十分に見応えがありました。


ショーの後は隣のビルの5階に移動し、展示された服を試着できるスペースへ。担当の方が30ある試着室の一つを確保してくださっていたので、ゆっくり試着をすることができました。
まず、事前に選んでいたグリーンのツイードワンピース。ところが、まったく似合わない! 坂元さんが選んだワンピースの方が気になり試着してみると、なんとこちらの方がしっくりきます。結局、それを購入することに。気になっていた可愛らしいイブニングドレスは残念ながら私には似合わず、逆にノーマークだったワンピースが驚くほどフィットしました。自分のスタイルをよく分かっているつもりでしたが、写真だけでは判断が難しいと痛感しました。


試着質の後は体育館のような広いスペースへ移動してまた試着。気になっていたジャケットは大きすぎて、小さいサイズはすでに売り切れ。
ここで気づいたのは、店頭に並ぶ商品はすべて「売れ残り」であり、本当に良いものは、シーズン前にすでに売れてしまっているということ。つまり、今まで私は「残り物」を買っていたのです。
総じて、ルイ・ヴィトンのファッションは私のスタイルには合わないことが多いのですが、毎回1~2点は「これなしではいられない!」というアイテムに出合います。素材の質はとても高く、ポリエステル素材でさえ上質。カットの美しさ、縫製の細やかさも魅力的です。服の良さは「着心地」と「見た目」の両方があってこそ。どちらかが欠けていたら、買いません。でも、大抵の場合、この2つはセットなのです。「見た目が良いものは、着心地も良い」——そういうものを選ぶようにしています。
日本での初めてのルイ・ヴィトンのファッションショーは、思っていた以上に楽しい経験でした。新しいことに挑戦すると、それだけで書きとめる価値のある出来事が生まれます。どんなことでも構いません。まだやったことのないことに、一歩踏み出してみましょう!