It's Beginning to Look a Lot Like Christmas 〜クリスマスの装いでシーズンのはじまり〜

今年も街がクリスマスシーズンらしくなってきました。

毎年私は、行きつけのフローリスト「Fuga」でオレゴン産のクリスマスツリーを注文します。11月の初めになると、「Fuga」の稲井さんが「今年も2メートルのオレゴンツリーでよろしいですか?」と電話をくれます。私のこだわりはほんの少しだけ──頂点の枝が空に向かってまっすぐ伸びていること、そして全体がなるべく美しい三角形のシルエットになっていること。

今年は、その条件をすべて叶えた完璧なツリーが届きました。期待をはるかに超える美しさでした。

 

昨年は、残念ながらツリーを飾ることができませんでした。輸入した最初のツリーが税関を通らず、すべて廃棄されてしまったのです。生きた植物の輸入は厳しく規制されているので仕方なくあきらめて別のツリーを探しに行った時は、すでに売り切れ。だからこそ、今年無事にツリーが届いたことは、ちょっとした奇跡のように感じます。

ツリーが到着した瞬間から、ニラは飾り付けを始めました。稲井さんとアシスタントの方がライトを巻きつけてくれましたが、2メートルのツリーとなるとそれだけでもひと苦労。次にゴールドのガーランドを飾ったのですが、無理に下まで伸ばそうとしましたが届きません。買い足した結果、ガーランドは少し重なってしまいましたが、不思議とそれが良い雰囲気に。

今年のテーマカラーは赤。4つの異なるサイズの赤いボールオーナメントをベースに、これまで大切に集めてきた思い出の品々を飾りました。草間彌生さんを模ったオーナメント、招き猫、いとこがくれたキャビアのオーナメント、友人から贈られたスワロフスキーのスノーフレーク、そして年々増え続けるサンタクロースのコレクション。すべてがツリーに温かさや歴史、そして深い郷愁を添えてくれます。

オレゴン出身の私にとって、オレゴンのツリーを飾ることには特別な意味があります。いつか人工のツリーにする日が来るのかもしれません。でも、毎年思い出すのは母が花市場に足を運び、本物のツリーを選ぶことをとても大事にしていたこと。環境のことを考えると心が揺れるのですが、それでもこの伝統を手放すことができません。それは私のルーツだからです。

クリスマスは、2025年を特別にしてくれた数々の恵みを振り返ると同時に、今までのクリスマスのたくさんの記憶を呼び覚ます季節。喜びと切なさが入り混じる、どこかセンチメンタルなシーズンです。悲しみに引き寄せられないように、私は毎年、私なりにクリスマスを特別なものにしようと思っています──たとえそれがコストコで過ごす午後であっても。

新しい瞬間をつくるために。新しい思い出を重ねるために。

私にとってツリーは「心を内側から温かく灯してくれる存在」。
ツリーそのもの、この季節、そして伝統を創り上げてくれた人々──すべてを祝うべきだと気づかせてくれます。

年の瀬を迎え、新しい一年を迎える準備をする今、どうか皆さんも少し立ち止まって、クリスマスのささやかな喜びに心を満たすことができますように。

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