私と歌舞伎のつながり〜素晴らしい日本の伝統芸能の楽しみ方〜
歌舞伎を初めて見たのは、私が早稲田大学の学生だった18歳の時。国際プログラムの一環で歌舞伎の夜の部を鑑賞しました。席はとても良かったのですが当時は英語の解説が一切なく、美しいとは感じたもののとても退屈で他の学生たちと一緒に途中で席を立った記憶があります。
日本に戻ってからは英語の解説が利用できるようになり、それ以来歌舞伎を観に行っています。最近では市川團十郎さんの息子である新之助さんが私のお気に入りです。彼が9歳で初舞台を踏んだ昨年11月、私は初めてその姿を目にしました。これまでにも好きな歌舞伎役者は多くいました。例えば坂東玉三郎さんや片岡仁左衛門さん。お二人は今でも私のお気に入りで、共演される舞台は見逃すことができません。
私が歌舞伎に親しみを感じる理由の一つは、アメリカで日本舞踊を学んでいた経験があるからかもしれません。藤間流の先生が日本からいらして、イースタン・オレゴンやポートランドで指導していました。生徒のほとんどは日系アメリカ人、二世や三世でした。私は4歳から始め、20歳になるまで続けました。東京でも続けようと始めたのですが、発表会の準備中に先生から参加費用を聞かされ、断念しました。舞台に立てたら素晴らしかったでしょうが、その費用は私には高額すぎて手が届かないものでした。私の日本舞踊のキャリアはそこで終わりを迎えたので、今は舞台上の役者たちを通して、遠くから日本舞踊を楽しむしかありません。
先週、大阪で團十郎さんの「口上」を観てきました。今回チケットを取ったのは團十郎さんが目当てではなく、共演する新之助さんを観るためでした。彼は10歳になり、二人で「連獅子」を演じました。この演目はこれまで何度も観てきましたが、今回の「連獅子」は、今まで見た中で最高のものでした。二人のシンクロの精度は見事で、獅子の力強さが圧倒的でした。大阪松竹座の舞台は非常にコンパクトで、私は花道のすぐ隣の席に座っていたので、役者たちが花道を去る際にはまるで手が届きそうでした。本当に忘れられない夜でした。
多くの日本人がまだ歌舞伎を観たことがないと聞きますが、ぜひ一度は生で観てほしいと思います。どんな公演でもそうですが、録画で観るのと生で観るのとでは、全く違う体験です。照明や舞台装置、メイクや衣装、そのすべてが生で観ると驚くほど鮮やかで、役者や演者のオーラにも本当に魅了されます。カリスマ性があり、そのエネルギーが観客に伝わってくるものです。そして忘れてはならないのが音楽。私は三味線とともに育ったので、日本の音楽はとても心地よく感じます。
外国人の方が歌舞伎に行く場合は、必ず英語のイヤホンガイドがあるか確認してください。歌舞伎座では最近、感染症対策と外国人観光客の減少で提供を一時やめていたイヤホンガイドが再導入されました。大阪松竹座や京都の歌舞伎座では英語のイヤホンガイドがなく、プログラムの説明も不十分ですのでご注意ください。
より多くの方に、日本の素晴らしい芸術を楽しんでもらいたいと思います。