小さな事故が教えてくれた、大切な気づき

先週、私が乗っていたタクシーが、別のタクシーに横から衝突されるという出来事がありました。ぶつかったのはちょうど私が座っていた側です。衝撃で体が横に振られましたが、幸いシートベルトをしていたので肩と首にベルトが少し擦れた程度で済みました。もしシートベルトをしていなかったら、強く投げ出されていたと思います。 

翌日になっても首に少し痛みが残っていたので、念のため整形外科を受診しました。光伸メディカルクリニックの中村先生です。レントゲンでは筋肉の状態までは分かりませんが、骨に異常がないことは確認できました。予想していた通りですが、安心できました。 

先生からは消炎パッチと痛み止めを勧められましたが、痛みはそれほど強くなかったので薬はお断りしました。私は、どうしても必要なとき以外は薬を飲まないようにしています。
もし一週間ほど経っても違和感が残るようなら、鍼治療という方法もありますよ、と教えてくださいました。 

その後、タクシー会社の保険担当者から連絡があり、その話をしたところタクシー事故の保険では鍼治療も補償の対象になることがあるそうです。そこまでカバーされるとは意外でした。

事故そのものによる骨の損傷はありませんでしたが、レントゲンで思いがけないことがわかりました。首の骨に、少しカーブが出始めていたのです。原因はケガではなく、長年の姿勢によるものだそうです。 

中村先生がすぐに指摘したのは、いま最も多い原因――スマートフォンを見るときの姿勢でした。つまり、下を向いて画面を見る習慣です。 

そこで先生から、スマートフォンはなるべく目の高さに持って見るように、とアドバイスを受けました。オフィスに戻るとすぐ、毎週金曜日のInstagram Liveで使っているスマートフォンスタンドに携帯を置くようにしました。さらに、ノートパソコンの画面を高くするためのスタンドも注文しました。普段の仕事で常に下を向いているわけではありませんが、姿勢が崩れないようにしておきたいと思ったのです。

不運な事故に遭ったと思いましたが、結果的には「気づき」を与えてくれた警告のようにも感じています。 

私にとって首は、昔からちょっとした自慢でもある身体のパーツです。同時にとても繊細な部分でもあるので、これが弱点になってしまうのは避けたいところです。 

そして何より、この出来事は、私がアンチエイジング医療の分野で長年感じてきたことを改めて思い出させてくれました。多くの健康トラブルは突然起こるものではありません。毎日の小さな習慣が積み重なって、少しずつ現れてくるものなのです。 

そのトラブルには、名前までついています。
英語では「Tech Neck(テック・ネック)」。日本では「スマホ首」や「ストレートネック」と呼ばれることもあります。 

私たちはスマートフォンに依存しているとまでは言えないかもしれませんが、頼りすぎているとは確実に言えるでしょう。そして、常に下を向くその姿勢が、気づかないうちに身体の形を少しずつ変えてしまうのです。 

今回のことをきっかけに、オフィスのことも考えました。もしスタッフが常に首を下に曲げて作業しているようなら、コンピューターのモニターの高さを見直すことも必要かもしれません。 

MRiで予防医学に関わるようになって20年以上。
私が学んだのは、身体は問題が起こる前から、そっと小さなサインを送ってくれているということです。 

大切なのは、そのサインに気づくこと。
そしてまだ間に合ううちに、小さな修正を重ねていくことなのだと思います。

 

 

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