お盆 〜喜びと追憶、そして「帰る場所」を想う季節〜
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お盆は、日本でもっとも華やかで、そして心に残る季節のひとつです。盆踊りに花火大会、家族との再会、そして夏休み。街にはお祭りの賑わいがあふれますが、その奥には、ご先祖様をお迎えし、感謝を捧げるという大切な意味があります。
お盆は日本の伝統行事ですが、実は私がアメリカで育った頃にも、とても身近な行事でした。今でも、子ども時代の幸せな思い出として心に残っています。
私が育ったポートランドでは、2年に一度、日系コミュニティがワシントン・パークで大きな’Obon Festival’を開いていました。街を見渡せる丘の上にある、自然が作り出した円形劇場には、芝生にシートを広げた家族連れが集まって舞台の演目を楽しみ、一踊りの輪に加わる人もいました。
当時私は日本舞踊を習っており、教室の仲間たちと盆踊りの合間に舞台で踊っていました。
子どもの頃、盆踊りを楽しんだワシントン・パーク
今でも鮮明に覚えているのは、本番前に木陰で着替えをし、お化粧をしてもらい、笑い合っていた時間です。正装の着物とは違い、浴衣は軽く涼しくて、夏の夕暮れにぴったりでした。
子どもの頃の私たちは、とにかくその時間が楽しく、お盆本来の意味を深く考えることはありませんでした。ただ、「夏のお祭り」を思いきり楽しんでいたのです。
今年のお盆は、私にとって少し特別な意味を持っています。
今年は、ハウスキーパーのニラと一緒に、アインシュタインが眠るお墓を訪れ、お盆に合わせて彼の魂を家へお迎えする予定です。日本では多くの方がそうされるように、私たちも先に旅立った魂を静かに想う時間を持ちます。だからこそ、お盆は嬉しさと少しの切なさが重なる季節なのだと感じています。
お盆の記憶
ご先祖様や大切な人を想う、静かな時間です。
お盆の時期になると、多くの人が故郷へ帰り、ご先祖様や家族と過ごすため、東京は驚くほど静かになります。街は穏やかな空気に包まれ、電車も少し空いていて、私はこの季節がとても好きです。
先日、2週間のアメリカ滞在から帰国したばかりの頃、たまたま恵比寿で打ち合わせがありました。駅へ向かって歩いていると、盆踊りで櫓(やぐら)になる大きな舞台を組み立てているところで、「今週末が恵比寿の盆踊りなんだ」と気づいたのです。
私は恵比寿駅の近くに10年以上住んでいますが、不思議なことに一度も行ったことがありませんでした。毎年、「今年こそ」と思いながら、いつも機会を逃していたのです。
でも今年は違いました。旅の疲れが残っていても、「今年は見逃したくない」と思いました。
仕事帰りに友人二人と待ち合わせて、一緒に会場へ向かいました。驚いたことに、二人とも普段から恵比寿駅を利用しているのに、一度もお祭りに行ったことがなかったそうです。
今年初めて訪れた、恵比寿駅前盆踊り
提灯の灯りと音楽に包まれた、夏の夜の思い出。
子どもの頃に見ていた盆踊りとは、ずいぶん雰囲気が違っていました。お寺ではなく駅前で開催されるお祭りということもあり、伝統的な音頭に現代的なリズムや歌詞が加わり、中にはヒップホップのような振り付けまで取り入れられていました。想像以上にエネルギッシュで、新鮮で、本当に楽しかったです。
周りのみんなと同じように、見よう見まねで踊っているうちに、気づけば汗びっしょり。笑いながら一生懸命ついていく時間が、とても心地よく感じられました。
そして、このお祭りはヱビスビールがスポンサーということもあり、最後はもちろん冷たい生ビールで締めくくりました。夏の夜風の中で踊ったあとの一杯は、本当に格別でした。
お盆は、大切な存在を想う時間でもあり、夏空の下で踊る時間でもあり、家族や友人と過ごす時間でもあります。どんな過ごし方であっても、この美しい日本の文化を少しだけ味わっていただけたら嬉しいです。
もし浴衣をお持ちでしたら、ぜひ袖を通して、盆踊りにも参加してみてください。
日本で最も美しく、心に残る季節のひとつを、どうぞ楽しんでください。








